澄肌漢方堂(すはだかんぽうどう)

ステロイドは恐い?ステロイド外用薬の作用と副作用

ステロイドは70年以上に渡って使用されてきた薬で、現在でも医療の現場で多くの疾患治療に使用されています。しかし、副作用を懸念してステロイドを使うことに抵抗がある人も多くいるのではないでしょうか?確かに大きな作用がある反面、副作用も持ちます。

 

しかし、適切に使うことによって皮膚湿疹などに悩まされている人の救世主になるかもしれません。今回はそんなステロイドの外用薬に説明を絞って作用と副作用を紹介します。

 

ステロイドとは?

ステロイドと呼ばれる物質にはいくつか種類があります。腎臓の上の方にある副腎で作られるホルモンの「糖質コルチコイド」や「鉱質コルチコイド」、男性ホルモンの一つで主に男性の精巣や副腎で作られる「テストステロン」やそのテストステロンに似せて合成されドーピングとして使用される「アナボリックステロイド」などです。

 

ここでは医療用として使用されるステロイドである糖質コルチコイドの中でも、コルチゾールと呼ばれる副腎皮質ホルモンについて紹介していきます。

 

コルチゾールとは

コルチゾールは、炭水化物や脂肪、たんぱく質の代謝を制御し、生体にとって必須のホルモンです。分泌される量によっては、血糖レベルや血圧を高め、免疫機能の低下や不妊をもたらすといわれています。ステロイドは分泌量が日内変動し、夜の間に休息して朝に多くなり、日中の活動により消費されて夕方から夜に少なくなる傾向があります。

 

また精神的ストレスや睡眠不足、暑さや寒さといった身体的なストレスが加わると分泌量が減少することが知られています。ステロイドには、内服薬や外用薬、注射剤など様々な剤型があり、目的や対象に合わせて適切な剤型が用いられますが、ドラッグストアや薬局で手に入れることが出来るのは、ステロイド軟膏やローションなどの外用薬です。軟膏の種類によってステロイドの強さに違いがあり、自分に合ったものを選ぶことが肝心です。今回は、ステロイド外用薬を中心に紹介していきます。

 

ステロイド外用薬の強さ

ステロイド外用薬には強さのランクが5段階あり、部位や皮疹の重症度によって使い分けられています。通常は首より下の体に使う薬は中くらいの強さとなり、少し炎症の強い湿疹だとやや強いものを使うことが多くなります。最強クラスは、非常に強いためその作用効果は高いですが、副作用も出やすく、非常に炎症が強い湿疹がある時に短期間使用することがあります。

 

また、顔面や陰部はステロイドの吸収率が高いため、あまり強くないステロイドを使用するよう勧められるでしょう。また、大人より子どもの方が皮膚が薄くステロイドの吸収が良いとされていますので、大人より一段階強さを落とすよう言われると思います。

 

  1. ストロンゲスト(最強)…デルモベート、ダイアコートなど
  2. ベリーストロング(やや強い)…アンテベート、マイザーなど
  3. ストロング(強い)…リンデロンV、ボアラなど
  4. マイルド(やや弱い)…リドメックス、ロコイドなど
  5. ウィーク(弱い)…現在、単剤では存在しません

 

ステロイド外用薬の作用

ステロイド外用薬は局所のアレルギー症状を強力に抑え込むことが主な作用であり、湿疹治療に対して非常な有効な薬です。

 

白血球の遊走を阻止したり、ヒスタミン・キニンなどの炎症性ペプチド抑制や線維芽細胞増殖の抑制など、数多くの皮膚炎症を抑える効果を持ちます。そのため、急性湿疹や慢性湿疹、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎などの湿疹・皮膚炎や、急性痒疹、慢性痒疹などの痒疹や虫刺され、紅斑症、紅皮症など多くの症状に用いられます。

 

ステロイド外用薬の副作用

もともと内服や注射用として開発されたステロイドですが、全身的な副作用を軽減して局所的に効果をしっかり出すために外用薬が開発されたという経緯があります。

 

そのため、ステロイドの外用薬は内服薬に比べて副作用が少ないのですが、「一度使うとやめられなくなる」「体に蓄積される」「皮膚が黒くなる」などの誤った認識を持っている人が今でも少なくありません。しかし、副作用が無いわけではありません。

 

以下に主な2つの副作用を挙げます。

 

皮膚の菲薄化、毛細血管拡張

ステロイドはアレルギーを抑える代わりに皮膚の細胞増殖を抑える働きがあります。適切な強さや量、使用目的の範囲内で使っていれば問題ありませんが、必要以上に強いものを長期に渡り使っていると皮膚細胞の増殖が抑制されて皮膚が薄くなってきます。

 

また、皮膚が薄くなるため皮膚血管が透過されて毛細血管が浮き上がって見えるようになります。これらの症状は頬部、前胸部、肘部、指先などで生じやすく、長期的にステロイドを使用する場合にはこれらの部位に着目して副作用が出ていないか確認するようにしましょう。

 

にきび、ヘルペス、カンジダなど感染症を悪化させる

ステロイド外用剤は、アレルギーを抑えるとともに、皮膚表面の免疫系の働きを抑える作用を持ちます。にきびやヘルペス、乳児のカンジダ症などに誤ってステロイドを塗ってしまうと、免疫が抑え込まれるため症状が悪化する恐れがあります。